リロイバレルと・・・。2006年11月27日

13年前...。アメリカ テキサス州オースティン 海外初レース「テキサスリレー」での写真。

日大3年の春、1ヶ月間のアメリカでのトレーニングの仕上げとして急遽、拠点のヒューストンからバスで4時間...ヒューストン大の学生と共に移動!この2,3日前からウィルス性の腸炎でフラフラ!食べたら吐いての繰り返し...。レースどころか?バスの移動でも抵抗感あり・・・。着いた途端、道端で嘔吐するくらいの状況でメンバーには、申し訳なかったが・・・。バトン練習もすることなく休ませてもらった。

日大チーム 1走 大橋 2走 宮田 3走 井上 4走 赤堀

どんなアップをして、どんな話をしてレースに挑んだかは・・・定かではないがアメリカ特有の雰囲気でイケイケ状態だった。若さもあり冷静ではなかった。直前のハプニングによる体調面での不安はあったが、トレーニングの消化具合から走れる自信があった。そんな調子の良さから井部コーチがアンカーに起用してくれた。無理やりエントリーしてもらった事もあり1レーン!!少し抵抗感はあったがそれ以上の興奮が自分に覆いかぶさっていた。

スタンドは、日本にはない程の大きさ・・・。招待レースで結構なチームが出場していた。

レーン紹介が丁寧に行なわれる。しっかり一人ずつ紹介してくれる。異国の地で自分の名前をアナウンス!選手として至福の瞬間!だが少しなめられている感もあり...。悔しさも助長するかのようにアドレナリンの量も半端でない・・・・。ほとんどが大学チームだがテキサス州の大学は、強豪校が多い。しかも、4レーンには、サンタモニカトラッククラブ...横にはキング カールルイス・・・。最初で最後のルイスと走ったレース!

1走 フロイドハード(19秒85) 2走 リロイバレル(9秒85) 3走 マイクマーシュ(19秒73) 4走 ルイス(9秒86)

一人一人の経歴 それを称える拍手! ルイスの紹介だけで1分ぐらいかかる・・・。「4走は、ロサンゼルスオリンピック金メダリスト.......バルセロナ幅跳び金メダリスト!アメリカが誇るスーパースター カールルイス!!!」地響きがするくらいの歓声!一気につられて興奮状態!!この興奮状態、マイケルジャクソンのコンサートとダブった。こんな注目の浴び走るルイスが羨ましかった。 選手も観客も超興奮...隣のレーンの選手の鼻息も超荒くなり・・・。興奮度は増すばかり・・・。

ピタっと静まりかえり 「On your Mark...」 「Set...」 「Go」

1走から2走へ団子状態でバトンが渡る...2走、宮田の走りも良い...リロイバレルが異次元の動きで全体の3メートル前を走っている。3走井上さんが1レーンらしからぬ加速で突進!自分のチームに当然意識は、行くが、全体にもある程度意識が働く。サンタモニカが5メートルぐらい前を走っている気配!思ったより好位置で・・・流れに乗っている。 「うひょ~!超ハエ~井上さん・・・」流れがいいだけに、バトンつまりはもったいない・・・。いつもの出方では、バトンで詰まると思い、勝手な判断でとっさに2足先に延ばした感覚で出た。

バトンをもらって直線に入ると5メートルほど前にルイスが見えた。 こんなリズムで走っているんだ!リズムを合わして走ってみた。同じリズムでもエスカレータの上を走っているようにルイスは、どんどん前に・・・。ルイスの走りには、無駄な動きない。光が一直線に伸びた走り・・・。自分の走りのブレが異様に感じる。ゴール直前に他選手に抜かれ3位でゴール!! 興奮から覚めるどころか!ルイスの元に行き握手をしてなお、いっそう興奮!走っている時よりも興奮状態!サンタモニカの連中は、ウィイニングラン、スタンド総立ち...。羨ましい光景だった。

走り終わって、興奮から覚め始めた頃、お世話になったリロイバレルと一緒に写真を・・・。 映画や食事、いろんな所に連れて行ってくれた気さくなバレル!! 練習で繊細なゆえ悩んでいたバレルがその後、世界記録9秒85をマーク・・・。向こうは、俺のこと忘れていても、試行錯誤繰り返し×2 必死にスタートと練習をしていたあなたの姿を忘れない・・・。世界のトップは、俺達以上に想像も絶する努力を・・・。あなたによって見せてもらった。

バレルの必死さを心の奥に刻み込んで帰国・・・。帰国後初日の練習、砂場で挫いて足首靭帯断裂で手術、入院するのでした。